・種類株式の発行
会社法が制定されてから、いわゆる普通株式のみならず様々な条件などを付した種類株式を発行することが出来やすくなりました。
通常の会社は、普通株式のみの発行です。株主は均等に平等に議決権や配当をもらう権利などがあります。
しかし、例えば同族会社が従業員にも株を持たせてあげようと考えた場合。
従業員持株会として株主になることも考えられますが、そもそも持たせてもらえる株式の割合は微々たるものです。いわゆる少数株主であれば、たとえ何か意見をもっていても、その要求が通ることはありません。いわば配当金をもらう権利ぐらいしかそもそもないのです。
であれば、最初から議決権は与えず、配当を通常よりも多めにもらえる権利を与えてあげた方が、従業員にとってもモチベーションアップに繋がります。
この場合、従業員には議決権が制限された配当優先株式をもたせてあげればいいのです。このような他の株式とは異なる内容を定めた株式を種類株式といいます。
種類株式は株主総会の議決によりいつでも発行することが可能なのです。
種類株式では、次の事項について他の株式とは違った内容を定めることができます。
①剰余金の配当
②残余財産の分配
③議決権の制限事項
④譲渡の制限事項
⑤株主の会社に対する取得請求権
⑥会社の株主に対する取得条項
⑦株主総会決議による全部取得条項
⑧拒否権
⑨役員選任権
種類株式では、これらを組み合わせて使うことにより、会社の実情に合わせた効果的な活用が可能です。
また種類株式は、事業承継対策として、配当優先株式や議決権制限株式などを利用することもできます。