・不動産にかかる税金
個人の不動産(土地や建物)にはさまざまな税金がかかります。
【取得したとき】
不動産を買ったり、もらったりした場合、不動産取得税という税金がかかります。
これは、不動産を手に入れた(移転した)という事実に対してかかる税金で、都道府県
が徴収者です。
税率は、固定資産税評価額に対して4%。ただし、平成24年3月まで、土地と住宅は
3%ですし、床面積など一定の条件を満たした場合には、更に税率が低くなります。
ちなみに、もらった場合のうち、生前贈与の場合にはかかりますが、相続の場合には
かかりません。
もうひとつかかる税金として、登録免許税があります。不動産を取得したときには、所
有権の移転の登記を行いますが、この登記の際にかかる税金で、国が徴収します。
税率は、固定資産税評価額に対して2%。ただし、平成23年3月まで、土地の売買に
ついては、1%です。不動産取得税と違って、相続の場合にもかかりますが、税率は
0.4%と低くなっています。
さらに、もうひとつ。売買契約書や借入をした場合の金銭消費貸借契約書などに貼る
印紙税があります。
印紙税は、税率ではなく、契約金額がいくらの場合にはこれだけといった税額表によっ
て金額が決まっています。通常、売主と買主が折半で負担し、収入印紙を割り印で消す
ことにより、徴収者である国に対して納付したことになります。
【所有しているとき】
不動産は、持っているだけでも税金がかかります。それは、固定資産税と都市計画
税です。毎年1月1日時点で所有している人に対して、その不動産の所在地の市町村
(東京23区は東京都)が徴収します。
税率は、固定資産税評価額に対して、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%です
が、住宅など、一部軽減措置があります。
固定資産税と都市計画税(以下「固定資産税等」)は、各市町村(東京23区は東京都)
から送られてくる納税通知書によって納付します。納税通知書は4月〜6月に送られて
きますが、冒頭でも述べましたとおり、1月1日時点で所有している人にかかりますので
その間に売却した場合でも、納税義務があります。
ただし、通常は売買の際に、固定資産税等の精算金というかたちで日割分の金額を買
主に負担してもらいます。
*余談ですが、この固定資産税等の精算金は売主側は収入金額、買主側は取得価額
と なります。よく売主側は収入金額から除外したり、買主側は租税公課として費用処理
する場合がありますが、これは間違いです。1月1日時点で所有している人にしかかか
らない税金ですから、その精算金はあくまで売買金額の一部なのです。
また、持っている不動産が賃貸用の場合には、その不動産から賃貸収入を得ているこ
とになります。その場合には、経費などを差し引いた金額に対して所得税と住民税がか
かります。事業として行っている場合には、事業税もかかります。
【売却したとき】
最後に、不動産を売却したときですが、当初取得したときよりも高い金額で売れた場
合には、簡単に言いますと、売却代金と取得金額(譲渡費用も含みます)との差額、
つまり売却益に対して、所得税と住民税がかかります。
税率は、所有期間が5年超の場合には、所得税15%住民税5%、所有期間が5年以内
の場合には、所得税30%住民税9%で、他の所得とは別個(分離課税といいます)にか
かります。
なお、マイホームを売却した場合や不動産を買い換えた場合など、税金が安くなったり、
繰り延べられたりする特例がたくさんあります。
不動産にまつわるだけでこんなにも税金があるんですね。