・相続対策
相続って言われても、ピンとこない、私には関係ない話って思われる方が多いと思います。
相続とは、人が亡くなって財産が引き継がれることです。
ちなみに、財産って言っても現金とか自宅などのプラスの財産だけじゃなくて、借金などのマイナスの財産も引き継がれます。
さて、たとえば、家族構成が、自分・妻・子供3人だとします。
自分が死んだ場合は、残された財産は妻がすべて相続すればいいかもしれません。
子供3人もこの時はあまりあれこれ言わないものです。
では、仮に妻が先に亡くなっていて、自分が死んだ場合はどうでしょう。
財産を引き継ぐ人(相続人といいます)は子供3人です。
子供3人はどのように財産を分けるでしょう。
・・・三等分する。
これは正解です。亡くなった自分もそれを望んでいます。
また、仲のいい兄弟なら通常はそうなるでしょう。
でも、いくら仲がいい兄弟でも、いざこの立場に直面するとそうはいかないことも多いんです。なぜなら、みなさん、それぞれ別々に生活し、家庭もあり、と生活環境が一致しませんから、やはり1円でも多くほしいと思うでしょう。
お金はあるにこしたことはないですから。
それに財産が現金だけならわけやすいですけど、いろいろな種類の財産がある場合や既に自宅に兄弟の一人が住んでいる場合、今後住む予定の場合、亡くなるまでの親の面倒を誰かがみていた場合などなど、いろいろな理由や感情などがからんでくるんです。
兄弟同士が相続人の場合、親という重しがなくなることが大きいのでしょうか。
俗に言う相続対策というのは、税金を少なくすることに重点が置かれています。
しかし、今の日本の税制では、相続税がかかる人は全体のわずか4%に過ぎません。
ただし、相続はすべての人に起こることです。
ですから、相続税対策は必要でなくても、相続対策は必ず必要なのです。
相続対策で大事なのは次の3つです。
①どれだけの財産があるのかを記しておくこと
②誰にどれだけの財産を相続させたいのかを決めておくこと
③財産を分けやすいようにしておくこと
①は、どこにどれだけの財産があるのか財産の一覧表を作っておきます。
不動産や株などは価額がいくらなのかも調べておきます。
②は、ずばり遺言です。遺言で誰にどの財産をどれだけあげたいかを記しておきます。
遺言なら相続人以外のお世話になった人や寄付したい施設などにも財産をあげたいと記すこともできます。(遺贈といいます)
③は、財産は残してくれたが、現預金はほとんどなく、不動産や自分の経営していた会社の株式などというパターンです。
これでは、残された相続人は財産を簡単に分けることができませんし、会社の株式などの場合には、事業承継という問題まで絡んできます。
ですから、相続税対策を先行して不動産などばかりではなく、現預金や上場株式など分けやすい財産にしておくことは重要なことです。
“相続”が“争族”にならないように、財産を残す方も、事前に相続対策をとっておくことが大切です。