・住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
贈与税には年110万円までは税金がかからないという非課税規定(基礎控除)があります。
また、相続税精算課税制度を選択した場合には、一生涯で2500万円までは非課税となります。
さらに、婚姻期間が20年以上の夫婦間での居住用不動産等の贈与については、2000万円まで控除できるという配偶者控除という規定があります。
このように贈与税にはいくつかの非課税規定等がありますが、平成23年12月31日までの時限措置としてもう一つ、非課税となる規定があります。
それは、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税という規定です。
この規定は、父母や祖父母など(直系尊属といいます)から住宅の購入や増改築のための資金の贈与を受けた者が、翌年の3月15日まで(確定申告期限まで)にその資金を住宅の購入や増改築に充て、居住用に使っているまたは使う見込みである場合には、その贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の金額までは贈与税を非課税とするというものです。
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの3年間の時限措置で、平成23年については1000万円までが非課税となります。(前年にも受けている場合には金額が異なります)
この規定、非課税となるからにはいくつかの要件があります。
この要件のすべてを満たさない場合には、非課税規定は受けられません。
要件は次のとおりです。
【受贈者(資金の贈与を受けた者)の要件】
・原則、贈与を受けた時に日本国内に住所があること。
・贈与を受けた年の1月1日時点で、20歳以上であること。
・贈与者(資金の贈与をした者)の直系卑属(子や孫など)であること。
・贈与を受けた年の所得が2000万円以下であること。
【住宅取得資金の要件】
・その資金は受贈者が一定の家屋の取得・新築、一定の増改築に充てるための金銭であること。
・土地や借地権の取得については、一定の家屋の取得・新築、一定の増改築とともにするものであること。(土地や借地権のみの取得に充てる場合は対象外)
【一定の家屋や一定の増改築の要件】
・日本国内の家屋であること。
・家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上であること。
・中古家屋の場合は、耐火建築物の要件を満たしていること
・床面積の1/2以上を居住用に使っていること。
・増改築については100万円以上の費用を要していること。
以上の要件を満たしている場合には、1000万円までは非課税となります。
なお、110万円の基礎控除も受けられますので、実際には1110万円までが非課税となります。
また、上記の要件を満たしていても、確定申告をしなければこの非課税規定を受けることはできません。仮に、全てが非課税金額の範囲内であっても確定申告をすることが絶対条件となっています。
確定申告の際には、計算明細書の他、戸籍謄本、住民票、建物等の登記簿謄本、売買契約書など一定の書類を添付する必要があります。
確定申告の提出期限は翌年の2月1日から3月15日です。